「えっ、ドル円がまた142円台に急落！？」
2025年6月第1週、為替市場はまさに“イベントの嵐”に見舞われました。
米国の雇用関連指標が次々と市場予想を裏切り、トランプ大統領の関税強化発言が火に油を注ぐ――。
一方で、米中首脳の電話会談報道がリスクオンに転換させるなど、ドル円相場は144円台から142円台を行ったり来たりの“乱高下”を見せました。
この記事では、1週間で何が起こったのか？
そして、これから相場はどう動くのか？
初心者の方でもわかりやすく、チャートの裏で動いた“真の要因”を丁寧に解説していきます。
これを読めば、今週の相場の「なぜ？」がスッキリ分かるはずです。
さあ、一緒にこの激動の一週間を振り返っていきましょう！
✅【2025年6月第1週】ドル円相場まとめ｜米経済指標＆米中関係で乱高下！
2025年6月第1週（6月2日～6月6日）のFX市場では、ドル円（USD/JPY）が荒い値動きを見せました。
特に、米国の重要経済指標の連続発表や、米中関係の動向が市場の方向感を左右し、テクニカル・ファンダメンタルズ両面でトレーダーにとって注目すべき局面が続きました。
本記事では、以下のポイントを軸にドル円の動きをわかりやすく解説します。
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🔍 目次
- 米経済指標とドル円の反応
- 米中関係の緊張と緩和
- 日本・欧州の経済情勢
- テクニカル分析と予想レンジ
- 来週以降の注目材料
📊【1】米経済指標が相場を揺らす1週間に
2025年6月第1週のドル円相場を動かした主役は、やはり米国の経済指標でした。週初から相場が神経質に反応する場面が続出し、短期トレーダーにとっては絶好のボラティリティとなりました。
✅6月2日（月）ISM製造業景況指数でドル売り
- 結果：48.5（予想：49.3）
- ✂️50を下回る＝景況感の悪化を示す
- ➡️ ドル売り反応 → ドル円は【143円台 → 142円台半ば】へと下落
ISM指数は、製造業の景況感を示す先行指標として重要です。50を下回ると景気の縮小を示すため、マーケットは敏感に反応。今回は予想以上に悪化したことから、ドル売り圧力が強まりました。
しかし、週を通してみればこの指標のインパクトは限定的でした。
✅6月3日（火）JOLTS求人件数が強くドル買いへ
- 結果：739.1万件（予想：710万件）
- ➡️ 雇用の底堅さを示す内容で、ドル円は一気に144.30円まで上昇！
JOLTS（雇用動態調査）は、米労働市場の需給バランスを示す指標。求人件数が予想を上回るということは、雇用市場が健全であるサインとなり、FRBの利下げ観測が後退、ドル買いへとつながりました。
✅6月4日（水）ADP・ISM非製造業でドル急落
- ADP雇用統計：3.7万人（予想：11.2万人）
- ISM非製造業：49.9（50割れ）
- ➡️ ダブルパンチでドル売り強まる → ドル円は142.50円付近まで急落
中でもADP雇用統計は、米5月雇用統計（NFP）の先行指標として注目される存在。極端な悪化は「リセッション懸念」を呼び込み、リスク回避の円買いが進みました。
ISMサービス業も50を割れたことで、景気の鈍化が改めて意識され、ドル円には売り圧力が。
✅6月5日（木）失業保険申請件数と米中首脳会談
- 新規失業保険申請件数が弱く発表
→ 一時的に円高（ドル安）方向へ - しかしその後…
📞米中首脳電話会談が報道されると、ドルは巻き返し！
ドル円は142.38円付近まで下げた後、米中の交渉再開報道を受けて143.97円まで回復しました。
📌ポイントまとめ：
| 日付 | 指標 | 市場反応 |
|---|---|---|
| 6/2 | ISM製造業 | ドル売り（悪化） |
| 6/3 | JOLTS求人 | ドル買い（改善） |
| 6/4 | ADP & ISM非製造業 | ドル売り（大幅悪化） |
| 6/5 | 米中会談報道 | ドル買い（回復） |
📊 6月第1週のドル円を動かした「米中関係」の真相
2025年6月第1週のFX市場では、米中関係のニュースがドル円に大きな影響を与えました。
🔥 トランプ大統領の“関税引き上げ”発言が波乱を呼ぶ
6月5日（木）に、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムへの関税を25％から50％に引き上げると発表。このニュースが流れると、市場は一気にリスクオフのムードに包まれました。
🔽 ドル円は142.38円まで下落。
なぜ関税の話でドルが売られるのか？それは、以下の理由によります：
- 関税引き上げ＝世界経済の減速懸念が強まる
- 株式市場が下落し、リスク回避の円買いが発生
- ドルよりも“安全通貨”とされる円が買われやすくなる
これが、典型的な「リスクオフの円買い」の動きです。
☎️ 米中首脳電話会談が市場を安定させた
同じ日に、さらなるビッグニュースが！
なんと、トランプ大統領と習近平国家主席が電話会談を行い、以下のような内容が発表されました：
「新たな交渉ラウンドを開始することで合意」
この報道により、市場のムードは一転。
💹 ドル円は一気に143.97円まで回復しました。
関税問題で一度リスク回避が進んだ後、関係改善の兆しによりリスク選好ムードが復活。まさに、市場が「ニュースの内容」によって右往左往する展開でした。
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～合わせて読みたい記事～
🇯🇵 日本国内の材料：「実質賃金の減少」も円売り要因に
日本側では、6月第1週に実質賃金が4カ月連続でマイナスというニュースが流れました。
📉 実質賃金とは、物価上昇を考慮した“本当の生活水準”を示す指標です。
このマイナスが続くということは…
- 日本国内の購買力が低下している
- 景気が弱い印象を与える
- 日銀が早期に利上げする可能性が後退
結果として「日本円が買われる理由が弱まる」＝円安方向の材料となりました。
🇪🇺 ECBの利下げでユーロも動く
6月5日には欧州中央銀行（ECB）が7会合連続の利下げを発表。
これにより、
- ユーロ売りが進行
- 相対的にドル買いが入りやすい
- その結果として、ドル円も支えられる要因となりました
市場心理が読めるとFXは強くなる！
今回の動きをまとめると、次のような構図が見えてきます：
| 出来事 | 市場の反応 | ドル円への影響 |
|---|---|---|
| ISM指数など米指標が悪化 | 景気後退懸念 | 円高（ドル売り）圧力 |
| JOLTSが好結果 | 米経済への期待感 | 円安（ドル買い） |
| トランプ氏の関税発表 | リスク回避ムード | 円高（ドル売り） |
| 米中首脳会談 | リスク選好回復 | 円安（ドル買い） |
| 日本の実質賃金悪化 | 円の弱さを示す | 円安方向に圧力 |
✅ 6月7日（金）発表の米・雇用統計がサプライズ！
週の最後を締めくくったのは、6月7日に発表された米・雇用統計（Nonfarm Payrolls）。
これは毎月第一金曜日に発表される重要指標で、米ドルの方向性を左右する超重要イベントです。
📌 結果はこうなりました：
- 非農業部門雇用者数（NFP）：+26万人（予想：+18万人）
- 失業率：3.9%（予想：3.8%）
- 平均時給：前年比+4.1%（予想：+3.9%）
💡 市場の反応
この結果を受けて、市場は「アメリカ経済はまだ強い！」と評価。
結果として…
📈 ドル買い・円売りが加速 → ドル円は144.20円台に到達！
ただし、失業率がやや悪化している点や、FRBの利下げ観測がくすぶっていることから、ドルの一方的な上昇には慎重なムードも残る状況です。
🎯 今後のドル円予想レンジ（6月第2週）
複数の材料を踏まえた上での、来週の予想レンジは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 📉 下値メド | 142.80円（米利下げ観測再燃やリスクオフで） |
| 📈 上値メド | 144.80円（米経済好調＋リスクオン続けば） |
| 📊 想定レンジ | 142.80〜144.80円のボックス相場を想定 |
※米中関係や日銀発言、米CPIなどによって一時的に上下のブレが大きくなる可能性あり。
FX初心者向け！来週に向けたトレード戦略3つ
FX初心者でもわかるように、来週（6月第2週）に向けた戦略ポイントを3つにまとめました。
✅ 1. トレンドに逆らわず「押し目買い」が基本戦略
雇用統計の結果から、短期的にはドル高トレンドが継続しそう。
そのため、
💡「143.00〜143.30円あたりに押してきたら買いエントリー」が狙い目。
ただし、144.80円付近では利確して様子を見るのが◎。
✅ 2. 米CPI（消費者物価指数）に要注目（6/12発表予定）
CPIが予想より強ければ → ドル買い加速（円安へ）
CPIが弱ければ → 利下げ期待再燃でドル売り（円高へ）
→ 📌トレードするならCPI直前のポジション整理は必須！
✅ 3. 損切りは「必ず入れる」慎重スタイルで
上下にブレやすい相場です。
例えば押し目買い戦略なら…
✅ エントリー：143.20円付近
✅ 損切り：142.80円割れ（-40pips）
✅ 利確目標：144.50〜144.80円（+130pips程度）
→ これでリスク1に対してリターン3以上の設定になります。
今週のドル円相場まとめ（2025年6月第1週）
今週のドル円相場は、複数の経済指標や地政学的要因に大きく左右され、方向感に乏しいながらも値動きの激しい展開となりました。特に米国から発表された雇用関連指標と、米中関係の報道が相場に大きなインパクトを与えました。
月曜日（6月2日）
- ISM製造業景況指数（5月）：予想49.3に対し、結果は48.5と悪化。
- 市場はドル売りの反応を示し、ドル円は143円台から142円台半ばまで下落。
- ただし下落幅は限定的で、大きなトレンドにはつながらず。
火曜日（6月3日）
- JOLTS求人件数（4月）：予想710万件を大きく上回る739.1万件。
- 労働市場の堅調さが意識され、ドル買いが優勢に。
- ドル円は一時144.30円まで上昇。
水曜日（6月4日）
- ADP雇用統計（5月）：予想11.2万人に対し、結果は3.7万人と大幅に下振れ。
- ISM非製造業指数も49.9と、景気減速懸念が強まる水準。
- これを受けてドル円は再び下落し、142.50円付近まで調整。
木曜日（6月5日）
- 新規失業保険申請件数が弱めに出て、円高方向に反応。
- 一方で、米中首脳による電話会談報道（関係改善期待）により、ドルが買い戻される展開に。
- ドル円は143.97円まで上昇し、週の終盤を迎えた。
その他の注目トピックス
トランプ大統領の関税発表
- 米国が鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を25％から50％に引き上げる方針を示す。
- リスク回避の円買いが強まり、ドル円は一時142.38円まで下落。
米中首脳の電話会談（6月5日）
- 新たな交渉ラウンドを開始することで合意との報道が流れ、市場に安心感が広がる。
- ドル円は反発し、リスク選好ムードが一時回復。
日本の実質賃金（4月）
- 4カ月連続のマイナス。
- 日銀の早期利上げ観測が後退し、円安材料に。
ECB（欧州中央銀行）の金融政策
- 6月5日に7会合連続となる利下げを決定。
- ユーロ売り材料となったが、ドル円への影響は限定的。
ドル円の週間レンジと値動き傾向
- ドル円の予想レンジは140.00〜146.00円程度と幅広く設定されていました。
- 実際には、142.30〜144.30円程度のレンジで推移。
- 経済指標の結果や米中関係の報道によって、日々上下に揺さぶられる展開が続きました。
特に注目されたのは、米国の労働市場データが軒並み強弱入り混じる結果となり、為替市場が明確なトレンドを作れなかった点です。
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